ウパニシャッド哲学をわかりやすく解説【古代インド】

ウパニシャッド哲学とは?

ウパニシャッド哲学とは、古代インドの後期ヴェーダ時代(前1000~500年頃)に、バラモン教への批判から生まれた哲学のことです。内面的な思索を重視する姿勢は、後の時代の仏教・ジャイナ教の誕生に影響を与えました。

ウパニシャッド哲学はなぜ生まれたか?

古代インドでは、アーリヤ人によって、ヴァルナ制という身分制度が生まれました。バラモンをトップとするヴァルナ制と結びついている宗教がバラモン教です。しかし、やがてバラモン教は形式的な宗教に成り下がっていきました。バラモンは権力を振りかざし、祭事のときも棒読みでお祈りを読み上げるだけ..。そんなバラモンたちを批判する良心的なバラモンも中にはいました。こうしたバラモン教の内部革新から生まれたのがウパニシャッド哲学です。

ウパニシャッド哲学の思想

ブラフマンとアートマン

  • ブラフマン(梵):宇宙の根源
  • アートマン(我):人間の本質
ウパニシャッド哲学者たちは「目に見える世界の背後にある、絶対的な真理」を探究しました。そして真理に辿り着くには、宇宙の根源である「ブラフマン」と人間の本質である「アートマン」が究極的に同じものであることを悟る必要がある。という思想です。この思想を「梵我一如(ぼんがいちにょ)」といいます。

輪廻転生

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 梵我一如に加えて、ウパニシャッド哲学の重要な思想が「輪廻転生」です。現世の行為によって来世どうなるかが決定し、生死は繰り返されるという考え方です。
インドの気候は雨季と乾季がはっきり分かれており、乾季の間に干上がった大地が雨季の到来によって蘇るさまが、輪廻転生の思想の起源ではないかとも言われています。

輪廻転生の流れ

  1. 死者の霊魂は火葬された後、月の世界に行き、
  2. 雨と共に地上に落ちて、
  3. 地中に入って食物となり、
  4. 男に食べられて体内に入り、
  5. 精子として母胎に入って再生する。

仏教とジャイナ教への派生

ウパニシャッド哲学の思想は、次の時代にも受け継がれ、バラモン教に対抗する2つの宗教「仏教」と「ジャイナ教」が誕生します。