古王国・中王国・新王国をわかりやすく解説【古代エジプト②】

風景

古代エジプトは3つの時代に区分できる

前3000年ごろから、エジプトではファラオによる統一王朝が始まりました。

ファラオによる統治が行われた時代の中でも、特に繁栄した時代を以下3つに区分することができます。
前27~前22世紀
古王国時代
都:メンフィス
クフ王のピラミッド建設
前21~前18世紀
中王国時代
都:テーベ
異民族ヒクソスの侵入に悩まされる
前16~前11世紀
新王国時代
都:テーベ
アメンホテプ4世による一神教の強制

古王国時代(前27~前22世紀)

  • 都をメンフィスに置いていた
  • ピラミッドがさかんに建設された
  • ギザの3大ピラミッドが有名で、クフ王のものが最大
まずは古王国時代です。この時代はなんといってもピラミッドです。

ピラミッドはなぜ作られたか?

少し前までは、王が権力を見せつけるためにピラミッドが建設されたと考えられていました。

しかし現在は、その説は否定されつつあります。
ピラミッドは公共事業だった?
ナイル川沿いでの農業が人々の生活基盤でした。しかし農作業を行えない時期になると、農民たちは仕事が無くなって食えなくなってしまいます。
ピラミッド建設は、そういった農民に仕事を与えるための公共事業の一つだったと現在は考えられています。ちなみにエジプト最大のピラミッドには、2.5tの岩が約270万~280万個積みあがっているそうです。一大事業ですね。

ギザの三大ピラミッド

エジプトには140以上のピラミッドがありますが、特に有名なのがギザにある三大ピラミッドです。

手前からメンカウラー王、カフラー王、クフ王のピラミッドです。中でもクフ王のピラミッドはエジプトのピラミッドの中で最も大きく、高さは147メートルもありました。

中王国時代(前21~前18世紀)

紀元前1000年代は民族移動がさかんな時代でした。メソポタミア方面で移動を開始していたヒッタイトミタンニに押し出されるように、ヒクソスという異民族がエジプトに侵入してきました。ヒクソス侵入の影響を受け、前17世紀頃にエジプト中王国は衰退していきました。

新王国時代(前16~前11世紀)

新王国時代で覚えておきたい人物は前14世紀にファラオを務めたアメンホテプ4世です。
アメンホテプ4世は宗教改革を行いました。
アメンホテプ4世の宗教改革
  • 唯一神アトンの信仰を強制
  • 都をテル=エル=アマルナに移す
  • 自分の名前を「イクナートン」に改称

なぜアメンホテプ4世は宗教改革を行ったのでしょうか。そこには政治的な悩みがありました。

政治に口出しする神官たち

神官:古代エジプトにおいて、アモン神の声を聞き代弁する役職
当時のエジプトでは、アモン=ラー信仰が盛んでした。アモンとはエジプトの都テーベの守護神のことで、ラーはエジプト全土で信仰されていた太陽神です。これらを合わせてアモン=ラー信仰です。
エジプト国民は皆アモン神を崇拝していますから、神の声を聞く神官の地位は高まっていきます。そうして、神官はアメンホテプ4世の政策に口出しするようになりました
アモン神はこう言ってるけど、その政策それでいいの?

神官

アメンホテプ4世

(いちいち政治に口出してくるなよ・・)

唯一神アトン信仰の強制

神官に嫌気がさしたアメンホテプ4世は、宗教改革を決行します。

アメンホテプ4世

国民たち、アモン=ラーの信仰はおしまい!これからは唯一神アトンを信仰しなさい!
アモンとアトン、名前が似てるので注意してください。

テル=エル=アマルナに遷都

アモン信仰をやめなさいと言ったところで、アモンは都テーベの守護神です。これを解決するために、アメンホテプ4世はアトンのために作られた都市、テル=エル=アマルナに都を移しました。

イクナートンに改名

都を移してもまだ足りません。アメンホテプ4世の「アメン」はアモン神を、「ホテプ」は崇拝するという意味です。
つまり、アメンホテプという名前は「 アモン神を崇拝する 」という意味なのです。

アメンホテプ4世

この名前で「アトンを信仰しろ」と言っても説得力がない・・・改名しよう!
アメンホテプ4世は自らの名前を「イクナートン」に変えました。
イクナートンは「アトンに愛される者」という意味があります。

白紙に戻った宗教改革

急激な宗教改革を行ったため、国民からのアメンホテプ4世の評判は良くありませんでした。死後には墓が破壊されたほどです。アメンホテプ4世の子、ツタンカーメン王はアメンホテプ4世が行った一連の宗教改革を白紙に戻し、またエジプト世界は多神教に戻ったのでした。