アラム人とフェニキア人をわかりやすく解説【古代オリエント】

街

ヒッタイトとエジプトのちょうど通り道にあたるシリア・パレスチナ地方では、アラム人とフェニキア人による交易が盛んにおこなわれました。

地中海東岸の特徴

シリア・パレスチナは地中海の東岸地域にあたります。シリア・パレスチナは農作物が育たないのが難点でした。

エジプトやメソポタミアと違って、近くに大きな川がないので農業ができませんでした。
じゃあこの地域の人はどうやって生活してたんですか?

交易です。すぐ近くに地中海があるので、シリア・パレスチナは海上交易にうってつけの地域でした。
地図
シリア・パレスチナのすぐ西側に地中海が広がっています。地図を見ると、北にヒッタイト、南にエジプトの新王国がありますね。この2国は交易拠点欲しさにシリア・パレスチナに度々侵入しており、2国同士の戦争もありました(カデシュの戦い)。しかし前13世紀頃、正体不明の「海の民」という民族が東地中海を荒らしまわります。その結果ヒッタイトは滅亡、エジプト新王国も衰退していきました。

アラム人とフェニキア人の登場

海の民によってヒッタイトとエジプト新王国という2つの大国が衰退しました。そして、この地域にアラム人とフェニキア人が登場します。
地図

アラム人

アラム人:前1200年頃から西アジアで内陸貿易を行った民族。ダマスクスを拠点にしており、アラム語を使用した。

アラム語

アラム人は西アジアで内陸貿易を行いました。しかし西アジアの異民族と貿易するには、コミュニケーションをとるための共通言語が必要です。そこで使用されたのがアラム語です。こうしてアラム語は西アジアでの国際商業語になっていきました

うねうねした形状が特徴的なアラビア文字の源流はアラム文字です。

フェニキア人

フェニキア人:前13世紀頃から地中海で海上貿易を行った民族。シドン・ティルスなどの都市国家を建設し、地中海沿岸にも進出してカルタゴなどの植民都市を建設した。

海上貿易で木材を輸出

国旗
こちらは現在のレバノンの国旗です。ちょうどフェニキア人が拠点を置いた地域にある国です。国旗の中央に描かれているのは、レバノン杉という木です。フェニキア人はこの上質なレバノン杉を地中海沿岸の地域に輸出する海上貿易で栄えました。
貿易のライバルはいなかったんですか?

ギリシアのミケーネ文明が前1200年頃に滅亡したので、フェニキア人が地中海貿易を独占することができました。

フェニキア文字

フェニキア人が使っていた文字をフェニキア文字と言います。フェニキア文字はギリシアに伝わり、ギリシア文字に変化します。そしてそのギリシア文字はアルファベットの元になっています。つまり、フェニキア文字はアルファベットのルーツなのです。

フェニキア人の一文字目を「アルフ」、二文字目を「ベートゥ」と読みます。合わせると「アルフベートゥ」です。