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古代オリエントをわかりやすく解説

オリエントとは?

オリエントとは、現在の中東に当たる地域を指す言葉です。オリエントの意味は「太陽が昇る方角」、つまり東のことです。
地図を見ると、オリエントはヨーロッパからみて東に位置しています。

古代オリエントの流れ

紀元前のオリエントでは、様々な民族や国家が繁栄と滅亡を繰り返しました。この時代を一般に古代オリエントといいます。範囲はエジプト文明・メソポタミア文明の成立から、アケメネス朝ペルシアによる統一までを指します。

アケメネス朝ペルシアがアレクサンドロス大王に征服されたことで、オリエントはギリシア世界と統合されました。


また、世界四大文明のうちの2つ、エジプト文明メソポタミア文明はオリエントに含まれています。世界史上でも、それだけ重要な地域であることが分かりますね。

地図で見るオリエント文明の変遷

今度は時系列ごとに、オリエント世界がどのように変わっていったのかを見ていきましょう。

前30世紀~前21世紀


オリエント文明の出発です。まずナイル川流域でエジプト文明が、ティグリス川・ユーフラテス川流域でメソポタミア文明が始まりました。

前21世紀~前12世紀


周辺民族による侵入が活発になってきました。ヒッタイト人は史上初めて鉄製の武器を使い、強大な軍事力を手に入れました。

前12世紀~前10世紀


まだ分裂の時代は続きます。海上貿易で栄えたフェニキア人、内陸貿易で栄えたアラム人の登場です。

前9世紀~前8世紀


ヘブライ王国が南北に分裂しました。アッシリア王国の存在感も増してきています。

前7世紀


アッシリア王国によるオリエント世界の統一です。しかしその抑圧的な国家体制により、統一から約100年で崩壊します。

前6世紀


4王国分立の時代です。リディアでは世界最古の金属貨幣が作られました。

前5世紀


再びオリエント世界の統一です。アケメネス朝ペルシアは寛容な政治で繁栄しましたが、最後は26歳のアレクサンドロス大王に滅ぼされます。ここまでが一般的な古代オリエントの時代です。

古代オリエントの特徴

古代オリエントの特徴をいくつか紹介します。

地理

オリエントは雨がほとんど降りません。その代わり、ナイル川やティグリス川、ユーフラテス川といった大きな河があります。
そんな地理条件を活かして、オリエントでは大河の氾濫を利用した灌漑農業が行われました。灌漑とは、河川や湖などから水を引き、田や畑へ人工的に給水をする仕組みのことです。

社会・政治

灌漑農業は用水路や井戸を作ったりと、大規模な土木工事が必要になります。それだけ労働者の数も膨大になるので、強力なリーダーシップを持った人物が求められます。その結果、強大な権力を持った国王が支配する国家が作られるようになりました。

文化

後世に受け継がれる文化も、古代オリエント時代にいくつか形成されました。例えばフェニキア人が使用したフェニキア文字は、アルファベットの原型です。また、1年を365日とする太陽暦は紀元前5000年頃のエジプトで生み出されました。

フェニキア文字

古代オリエント まとめ

まとめ
  • オリエントとは、ヨーロッパから見て東方を指す地域であり、現在の中東にあたる。
  • エジプト文明・メソポタミア文明からアケメネス朝ペルシアの統一までを、一般に古代オリエントと呼ぶ。
  • 雨が少ないオリエントでは灌漑農業が営まれ、土木工事を指導する協力な指導者のもとで国家が発達した。
  • アレクサンドロス大王によって古代オリエント世界はギリシア世界と統合された。