ジャイナ教をわかりやすく解説

ジャイナ教とは?

ジャイナ教とは、前6~5世紀にヴァルダマーナを始祖として生まれたインドの宗教です。徹底した苦行・禁欲・不殺生を教えとし、現在もインド国内でおよそ450万~500万人の信者が存在します。

始祖ヴァルダマーナ

ジャイナ教は、ヴァルダマーナという人物によって創始されました。

裕福な家庭育ち

十六大国時代のマガダ国で、ヴァルダマーナはクシャトリヤ部族の子として生まれました。マガダ国は後にウマイヤ朝をおこす大国です。さらにクシャトリヤと言えば、ヴァルナ制において上から2番目の地位の高さです。だからといってヴァルダマーナは贅沢な暮らしにふけることもなく、日々瞑想に励む慎ましい青年時代を過ごしました。

ヴァルダマーナはかなり育ちのいい人だったんですね。

妻子を捨て出家

そんなヴァルダマーナが30歳の頃、転機が訪れます。両親の死です。ヴァルダマーナは両親が残した遺産も相続せず、妻子も放り出して、出家しました。出家とは、これまでの生活を捨てて俗世間から離れて修行をすることです。余計なものはいらないと服を全て脱ぎ捨て、裸一貫で12年間の修行に耐え抜きました。そして42歳になった頃、ヴァルダマーナは真理を悟って「ジナ」(勝利者)となりました。これは「煩悩に勝つ」の意味で、ジャイナ教の名前の由来となりました。以降ヴァルダマーナは30年間インドの各地を歩き回って教えを説き、信者を獲得していきます。

ジャイナ教の思想

不殺生

ジャイナ教は、信者にとにかく苦行を課します。苦行の中でも最も守らなければいけないのが、不殺生です。要は、「生き物を傷つけてはいけない」という教えです。道を歩く虫一匹踏んではいけない。空中にも生き物はいるから、外出時は布を口に当てて…といった徹底ぶりです。

過酷な断食

そうは言っても、人は生きていくうえで食べなければなりません。しかし米も肉も野菜も、命あるものです。それらを食べてしまっては不殺生の教えに背いてしまいます。つまり、究極的にジャイナ教の教えを守るためには「断食」がベストであり、もっとも理想的な死は「断食の末に餓死すること」です。
始祖のヴァルダマーナは、自らの最期にこの死に方を選び、72年の人生を終えました。