産業革命(イギリス)をわかりやすく解説

産業革命って何?

産業革命とは、18世紀後半~19世紀前半にかけてイギリスで起こった、技術革新とそれにともなう社会構造の変化のことです。 産業革命を経て、イギリスは工業製品を大量生産して世界に売りさばき、「世界の工場」と呼ばれるまでの地位を確立しました。

なぜイギリスで産業革命が起こったか?

イギリスで産業革命が起こった背景には、いくつかの要因があります。
イギリスで産業革命が起こった理由

貿易による資本の蓄積

大航海時代以来、イギリスは積極的に海外に植民地を建設し、特に大西洋の三角貿易では莫大な利益を得ていました。工場や機械に投資するのにはお金が必要ですから、イギリスはその準備が整っていたのです。


労働力の確保

イギリスを含めヨーロッパでは、産業革命が起こる以前に農業革命という農業分野の進歩がありました。農作物の安定した生産によってイギリスの人口は増加し、のちの産業革命を担う労働力が確保されました。


海外市場の拡大

18世紀にはフランスとの植民地戦争(フレンチ=インディアン戦争)に勝利し、海外市場が拡大されました。作った工業製品の買い手が海外にたくさんいる状態です。

このようにさまざまな要因が重なって、イギリスで産業革命が起こったのです。

産業革命の流れ

産業革命は綿織物工業の分野で始まりました。元々イギリスは毛織物業が盛んでしたが、17世紀頃から綿織物の人気が高まっていました。綿織物は毛織物よりも安くて軽く、また洗濯も簡単にできるのでイギリス人の間でたちまち人気商品になりました。こうして、「綿織物をいかに効率的に、かつ大量に生産できるか?」を原動力に産業革命が始まります。

産業革命は、技術革命・動力革命・交通革命の3つに分けられます。
産業革命の3ステップ
  1. 技術革命
  2. 動力革命
  3. 交通革命

技術革命

まずジョン=ケイという人物によって、綿織物を織るための機械(織機)が改良され、綿織物の生産量が一気に増えました。すると布を織るための糸が足りなくなるので、今度は原材料の綿花から糸を紡ぐための機械(紡績機)が改良されました。こうして段階的に綿織物を織る技術が革新されていきました。

綿織物ができるまで

動力革命

次に改良されたのが紡績機や織機を動かすための動力、つまりエネルギーの部分です。それまでは主に水力で機械を動かしていましたが、ワット蒸気機関を改良したことで、水力に代わる動力となりました。

MEMO
ワットの死後、その功績をたたえ、仕事率を表す国際単位としてW(ワット)が採用されました。

交通革命

ワットが改良した蒸気機関は綿織物工業だけでなく、交通面にも利用されました。スティーブンソン蒸気機関車フルトン蒸気船を実用化し、ヒトやモノの大量輸送が可能になりました。

ロコモーション号

1825年、スティーブンソン運転の機関車ロコモーション号が約600人の乗客を乗せて走行しました。5年後にはマンチェスター・リヴァプール間で公共鉄道が開通し、本格的な営業運転が始まりました。


産業革命を進展させた発明家たち

人物 功績 分類
ジョン=ケイ 飛び杼を発明して織機を改良 技術革命
ハーグリーヴズ 多軸紡績機を発明 技術革命
アークライト 水力紡績機を発明 技術革命
クロンプトン ミュール紡績機を発明 技術革命
カートライト 力織機を発明 技術革命
ワット 蒸気機関を改良 動力革命
スティーブンソン 蒸気機関車を実用化 交通革命
フルトン 蒸気船を実用化 交通革命

産業革命の影響

資本主義の誕生

産業革命によって、資本家労働者の二大階級が形成されました。資本家は機械を買って工場を経営し、そこで労働者を安い賃金で働かせます。現代にまで続く資本主義社会は、産業革命によって成立したのです。

労働問題

産業革命の影の側面も押さえておきましょう。
資本家は利益を追求して労働者をビシバシ働かせます。安価な労働力として少年や女性を多く雇用し、劣悪な労働条件で昼夜を問わず働かせました(1日19時間労働で休憩は1時間など)。
都市部には労働者が大量に流入し、不衛生なスラム街が形成されました。
ロンドンのスラム

世界に波及

産業革命はイギリス国内だけの話ではありません。ベルギー、フランス、ドイツ、アメリカ、ロシア、日本へと産業革命は広がり、これらの「先進国」は農業社会から工業社会へと転換していきました。
その一方で、アジアやアフリカの国々は原材料を先進国に輸出し、先進国で出来上がった完成品を買い取るという立場を強いられました。

産業革命 まとめ

まとめ
  • 産業革命とは、18世紀~19世紀にかけてイギリスで起こった、技術革新とそれにともなう社会構造の変化のこと。
  • 農業革命による人口増加や、海外植民地獲得による市場拡大・資本蓄積がイギリスで産業革命が起こった要因である。
  • 産業革命は綿織物業で始まり、技術革命・動力革命・交通革命と進展していった。
  • 産業革命は海外にも波及して先進国の工業化が進み、資本主義社会が形成された。