ヘブライ王国の成立~分裂をわかりやすく解説【古代オリエント】

絵画

ヘブライ王国

紀元前11世紀にヘブライ人(ユダヤ人)がパレスチナに建国した国家。ダヴィデ王・ソロモン王の頃に最盛期を迎えたが、前10世紀後半に南北に分裂した。

エジプト新王国に連行される

元々はパレスチナに定住していたヘブライ人は、南にあるエジプトの新王国に移動しました(連れ去られた説もあります)。
ヘブライ人はエジプトでどんな暮らしをしていたんですか?

エジプト人たちに強制労働をさせられました。ヘブライ人は約200年もの間奴隷専用民族として扱われ、苦しい思いをしていました。
MEMO
ヘブライ人は自分たちのことは「イスラエル人」と自称していました。

出エジプト

「もう奴隷扱いは嫌だ。エジプトから逃げよう。」そう決心したヘブライ人たちは、モーセという人物を中心にしてエジプトから再びパレスチナ方面への逃亡を図りました。この逃亡劇を「出エジプト」と呼びます。
モーセの奇蹟
絵画
 後に成立するユダヤ教の正典である旧約聖書には、出エジプトに関する逸話が記されています。
脱出したモーセ一行をエジプト兵たちが追いかけ、モーセ一行は海まで追い詰められてしまいます。「もはやこれまでか。」とヘブライ人たちが諦めかけたとき、モーセの祈りによって海が真っ二つに割れ、道が拓けたという話です。
さらに逃げる途中、モーセはヘブライ人の唯一神ヤハウェから十戒を授りました。
十戒って何ですか?

神様との約束事みたいなものです。苦しい逃亡生活の救いを求めるように、ヘブライ人はヤハウェを強烈に信じ込んでいきます。

十戒

  • 主が唯一の神であること
  • 偶像を作ってはならないこと(偶像崇拝の禁止)
  • 神の名をみだりに唱えてはならないこと
  • 安息日を守ること
  • 父母を敬うこと
  • 殺人をしてはいけないこと)
  • 姦淫をしてはいけないこと
  • 盗んではいけないこと
  • 隣人について偽証してはいけないこと
  • 隣人の財産をむさぼってはいけないこと

ヘブライ王国を建国


前11世紀頃、ヘブライ人はパレスチナの地にヘブライ王国を建国し、「出エジプト」が終わりました。

前10世紀頃、ヘブライ王国はダヴィデ王とソロモン王のときに全盛期を迎えました。この2人はセットで覚えましょう。
ダヴィデ王
ペリシテ人(海の民の一派とされている)やカナーン人などの周辺民族を倒して、パレスチナ一帯を統一した。また都をイェルサレムに置いた。
ソロモン王
建物
ダヴィデ王の子。イェルサレムにヤハウェの神殿を建設した。ヤハウェの神殿は同時代にシリアで繁栄していたフェニキアの建物に似ており、フェニキア人が設計に関わった説もある。

ソロモン王は、ヤハウェ神殿などの宮殿建設のために市民に重税をかけました。
市民からの反発はなかったんですか?

もちろんありました。ソロモン王の死後、内部からの反発によってヘブライ王国は2国に分裂してしまいます。

イスラエル王国とユダ王国に分裂

10世紀末、ヘブライ王国は北のイスラエル王国と南のユダ王国に分裂しました。イスラエルは前722年にアッシリアに滅ぼされ、ユダ王国は新バビロニアに滅ぼされました。生き残ったユダ王国の人々はバビロンに強制移住させられました。これをバビロン捕囚といいます。
エジプトで奴隷にされたり、バビロン捕囚だったり、ヘブライ人は苦難の連続ですね。

そうですね。バビロン捕囚によってユダ王国の人々が受けた苦難が、のちに彼らがつくるユダヤ教の源になります。