グプタ朝をわかりやすく解説【古代インド】

グプタ朝とは?

グプタ朝とは、320年頃~550年頃にインドに存在した王朝です。
プロフィール
  • 建国者:チャンドラグプタ1世
  • 最盛期の王:チャンドラグプタ2世
  • :パータリプトラ
  • 存続期間:320年頃~550年頃
  • 特徴①:ヒンドゥー教が定着
  • 特徴②:純インド風のグプタ様式の美術が開花

ヒンドゥー教が定着

紀元前後頃に成立していたヒンドゥー教が定着したのは、グプタ朝の時代です。ヒンドゥー教は、バラモン教と土着信仰が融合して生まれました。じわじわと自然発生的に生まれた宗教なので、特定の開祖はいません

MEMO
ヒンドゥー教は多神教なので、仏教やジャイナ教が迫害されることはありませんでした。ナーランダー僧院という仏教の学校もグプタ朝時代に設立されています。

純正インド風のグプタ様式

クシャーナ朝時代のガンダーラ美術は、異国の影響をもろに受けた美術様式でした。そういう意味ではオリジナリティに欠けると言えるかもしれません。一方、グプタ朝時代に生まれたグプタ様式では純インド風の表現がなされました。

ガンダーラ美術の菩薩像

グプタ様式の仏像

ガンダーラ美術の仏像はゴツゴツしたいかにもギリシャ彫刻って感じですが、グプタ様式の方は丸みを帯びてますね。

世界遺産
岩

アジャンター石窟群

前1世紀~7世紀にかけて、断崖を550mに渡ってくりぬいて築かれた仏教石窟寺院群です。完成から1000年以上経った1819年に、虎狩りをしていたイギリス人によって発見されました。室内にはグプタ様式で描かれた仏教関係の壁画があります。

文学の発展

グプタ朝時代には、サンスクリット語で記されたサンスクリット文学が盛んになりました。サンスクリット語とは、もともとバラモンが宗教的な祭事で扱う典礼言語でした。しかし、グプタ朝時代にヒンドゥー教が定着してバラモンの権威が増したことで、サンスクリット語が公用語化されました。

サンスクリット文学

サンスクリット文学の二大叙事詩として有名なのが、『マハーバーラタ』と『ラーマーヤナ』です。叙事詩とは、伝説的な英雄や神話についての物語のことです。
また「詩聖」として名高いカーリダーサは、全盛期の王チャンドラグプタ2世に仕えた詩人です。カーリダーサは戯曲「シャクンタラー』を著しました。戯曲とは、演劇の台本形式で書かれた文学作品のことです。

「ゼロ」の発見

0
グプタ朝は、数学の分野でも偉大な業績があります。ゼロの概念の発見です。「数字に0を足しても変わらない」、「0をかけると0になる」。今では当たり前の「ゼロ」を使用した計算法は、グプタ朝の時代に生み出されました。

滅亡へ

全盛期を築いたチャンドラグプタ2世の死後も、約50年間はグプタ朝は繁栄しました。しかしその後は衰退に向かいます。その原因は中央アジアの遊牧民エフタルです。
エフタルはグプタ朝に侵入して都市を破壊し、グプタ朝を滅亡に追いやりました。

グプタ朝 まとめ

まとめ
  • 320年頃、パータリプトラを都とするグプタ朝が成立して、北インドを統一した。
  • 3代目の王チャンドラグプタ2世の時代に最盛期を迎えた。
  • グプタ朝の時代にヒンドゥー教が民衆に定着した。
  • 純インド風の仏教美術であるグプタ様式が成立した。
  • サンスクリット語が公用語化され、叙事詩『マハーバーラタ』と『ラーマーヤナ』や戯曲『シャクンタラー』が記された。