ピラミッドやツタンカーメンなど、なんとなく豪華なイメージを持つ人も多いのではないでしょうか。
エジプト文明初期
- 場所:ナイル川流域
- 時期:前5000年頃~前4世紀
- 特徴:メソポタミア文明と並ぶ世界最古の文明
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エジプト文明がおこった位置
文明発展は大洪水のおかげ
エジプトには世界最長の河川、ナイル川が流れています。ナイル川は毎年決まった時期に洪水をおこします。洪水によって流れてくる土には栄養がたっぷり含まれており、その土を使って農業を営むことができたのです。こうして人々は自然とナイル川流域に集まり、エジプト文明が始まりました。
ファラオの登場
農業をするうえで、農民たちを束ねるリーダー格の人物が自然に生まれてきます。その人物はやがてエジプトの王となり、「ファラオ」という称号を使いました。
古王国時代
ピラミッドはなぜ作られたか?
少し前までは、王が権力を見せつけるためにピラミッドが建設されたと考えられていました。しかし現在は、その説は否定されつつあります。

ピラミッド建設は、そういった農民に仕事を与えるための公共事業の一つだったと現在は考えられています。ちなみにエジプト最大のピラミッドには、2.5tの岩が約270万~280万個積みあがっているそうです。一大事業ですね。
ギザの三大ピラミッド
エジプトには140以上のピラミッドがありますが、特に有名なのがギザにある三大ピラミッドです。

中王国時代
新王国時代
政治に口出しする神官たち
エジプト文明では、アモン=ラー信仰が盛んでした。
- アモン:エジプトの都テーベの守護神
- ラー:エジプト全土で信仰されていた太陽神
国民は皆アモンを崇拝していますから、アモンの声を聞ける神官の地位は高まっていきます。やがて、神官はアメンホテプ4世の政策に口出しするようになりました。
宗教改革の決行
神官に嫌気がさしたアメンホテプ4世は、宗教改革を決行します。
唯一神アトン信仰の強制
それまでのアモン=ラー信仰を撤廃し、国民に唯一神「アトン」の信仰を強制しました。
テル=エル=アマルナに遷都
都テーベの守護神は、アモンです。そこで、アトンのために作られた都市、テル=エル=アマルナに都を移しました。
イクナートンに改名
アメンホテプ4世の「アメン」はアモンを、「ホテプ」は「崇拝する」という意味です。
アメンホテプ4世は自らの名前を「イクナートン(アトンに愛される者)」に変えました。
白紙に戻った宗教改革
アメンホテプ4世は急激な宗教改革を行ったため、国民からの評判は良くありませんでした。死後には墓が破壊されたほどです。アメンホテプ4世の子、ツタンカーメン王はアメンホテプ4世が決行した一連の宗教改革を白紙に戻し、またエジプト世界は多神教に戻ったのでした。
エジプト文明 まとめ
- エジプト文明はナイル川流域でおこり、やがてファラオによる統一国家が始まった。
- 古王国時代、クフ王などのピラミッドが建設された。
- 異民族ヒクソスによって中王国は衰退した。
- 新王国時代のアメンホテプ4世は、唯一神アトン信仰を国民に強制した。テル=エル=アマルナに遷都し、自身は「イクナートン」に改名した。