エジプト文明(古王国・中王国・新王国)をわかりやすく解説【古代オリエント世界②】

古代オリエントから、今回は「古代エジプト」について学習しましょう。
ピラミッドやツタンカーメンなど、なんとなく豪華なイメージを持つ人も多いのではないでしょうか。

エジプト文明初期

エジプト文明の概要
  • 場所:ナイル川流域
  • 時期:前5000年頃~前4世紀
  • 特徴:メソポタミア文明と並ぶ世界最古の文明

位置を確認

エジプト文明がおこった地域

エジプト文明がおこった位置

文明発展は大洪水のおかげ

エジプトには世界最長の河川、ナイル川が流れています。ナイル川は毎年決まった時期に洪水をおこします。洪水によって流れてくる土には栄養がたっぷり含まれており、その土を使って農業を営むことができたのです。こうして人々は自然とナイル川流域に集まり、エジプト文明が始まりました。

洪水と聞くと悪いイメージがありますが、当時の人々にとってはむしろ喜ばしいことでした。
後に「エジプトはナイルのたまもの」という言葉も生まれました。これは言い換えると、「エジプト文明はナイル川のおかげで繁栄できた。」という意味です。

ファラオの登場

農業をするうえで、農民たちを束ねるリーダー格の人物が自然に生まれてきます。その人物はやがてエジプトの王となり、「ファラオ」という称号を使いました。

POINT
ファラオの登場以降、エジプト文明は大きく古王国時代・中王国時代・新王国時代の3期に分けられます

古王国時代

まずは古王国時代です。ピラミッドの建設で有名な時代です。

ピラミッドはなぜ作られたか?

少し前までは、王が権力を見せつけるためにピラミッドが建設されたと考えられていました。しかし現在は、その説は否定されつつあります。

ピラミッドは公共事業だった?
人々の生活基盤は、ナイル川沿いでの農業でした。しかし農作業を行えない時期になると、農民たちは仕事が無くなってしまいます。
ピラミッド建設は、そういった農民に仕事を与えるための公共事業の一つだったと現在は考えられています。ちなみにエジプト最大のピラミッドには、2.5tの岩が約270万~280万個積みあがっているそうです。一大事業ですね。

ギザの三大ピラミッド

エジプトには140以上のピラミッドがありますが、特に有名なのがギザにある三大ピラミッドです。

手前からメンカウラー王、カフラー王、クフ王のピラミッドです。中でもクフ王のピラミッドはエジプトのピラミッドの中で最も大きく、高さは147メートルもありました。

中王国時代

中王国時代は、エジプトが異民族侵入に悩まされた時代です。メソポタミア方面からヒクソスという異民族がエジプトに侵入してきました。ヒクソスの軍事力は高く、前17世紀頃にエジプト中王国は衰退していきました。

新王国時代

なんとかヒクソスをエジプトから追い払って、新たに新王国が建国されました。
新王国時代で覚えておきたい人物は、前14世紀にファラオを務めたアメンホテプ4世です。アメンホテプ4世にはある悩みがありました。

政治に口出しする神官たち

エジプト文明では、アモン=ラー信仰が盛んでした。

  • アモン:エジプトの都テーベの守護神
  • ラー:エジプト全土で信仰されていた太陽神
これらを合わせてアモン=ラー信仰です。このうちアモンの声を聞き代弁する、「神官」という役職がありました。
国民は皆アモンを崇拝していますから、アモンの声を聞ける神官の地位は高まっていきます。やがて、神官はアメンホテプ4世の政策に口出しするようになりました。

宗教改革の決行

神官に嫌気がさしたアメンホテプ4世は、宗教改革を決行します。

宗教改革の内容

唯一神アトン信仰の強制

それまでのアモン=ラー信仰を撤廃し、国民に唯一神「アトン」の信仰を強制しました。


テル=エル=アマルナに遷都

都テーベの守護神は、アモンです。そこで、アトンのために作られた都市、テル=エル=アマルナに都を移しました。


イクナートンに改名

アメンホテプ4世の「アメン」はアモンを、「ホテプ」は「崇拝する」という意味です。
アメンホテプ4世は自らの名前を「イクナートン(アトンに愛される者)」に変えました。

神様を変え、都を変え、自分の名前も変え…一大改革ですね。

白紙に戻った宗教改革

アメンホテプ4世は急激な宗教改革を行ったため、国民からの評判は良くありませんでした。死後には墓が破壊されたほどです。アメンホテプ4世の子、ツタンカーメン王はアメンホテプ4世が決行した一連の宗教改革を白紙に戻し、またエジプト世界は多神教に戻ったのでした。

エジプト文明 まとめ

まとめ
  • エジプト文明はナイル川流域でおこり、やがてファラオによる統一国家が始まった。
  • 古王国時代、クフ王などのピラミッドが建設された。
  • 異民族ヒクソスによって中王国は衰退した。
  • 新王国時代のアメンホテプ4世は、唯一神アトン信仰を国民に強制した。テル=エル=アマルナに遷都し、自身は「イクナートン」に改名した。

同じカテゴリーの解説記事一覧
古代オリエント