
シリア・パレスチナの位置
シリア・パレスチナは人気エリア
シリア・パレスチナはすぐ隣に地中海があるので、海上交易にうってつけの地域でした。周辺のヒッタイト人やエジプト新王国は、交易拠点欲しさに度々シリア・パレスチナ地方への侵入を試みていました。
謎の民族によりシリア・パレスチナが空き地に?
しかし前13世紀頃、正体不明の「海の民」という民族が東地中海を荒らしまわりました。その結果ヒッタイトは滅亡し、エジプト新王国も衰退していきました。

シリア・パレスチナの民族
アラム人
内陸貿易を行った民族
地図を見ると、アラム人は内陸側に住む民族だと分かります。なので、アラム人は西アジア方面に内陸貿易を行いました。
アラム語の伝播
西アジアの異民族と貿易するには、コミュニケーションをとるための共通言語が必要です。そこで使用されたのがアラム語です。アラム語は西アジアでの国際商業語になっていきました。
フェニキア人
海上貿易で木材を輸出

拠点を各地に建設
フェニキア人はシドン・ティルスなどの都市国家を建設し、そこを拠点に地中海貿易を独占しました。東地中海沿岸部だけでなく、カルタゴ(北アフリカ沿岸部)などの植民都市も多く建設しました。
フェニキア文字はあの文字のルーツ
フェニキア人が使っていた文字をフェニキア文字と言います。フェニキア文字はギリシアに伝わり、ギリシア文字に変化します。そしてそのギリシア文字はアルファベットの元になっています。つまり、フェニキア文字はアルファベットのルーツなのです。
ヘブライ人
遊牧民だったヘブライ人は前1500年頃にパレスチナに定住しました。そしてその一部はエジプト新王国へと移住しました。
エジプトでの苦難
エジプトに移住したヘブライ人は、エジプト人に強制労働をさせられました。ヘブライ人は約200年もの間、奴隷専用民族として扱われ、苦しい思いをしたのです。
奴隷扱いから逃れるため、ヘブライ人はエジプトからの逃亡を決心します。モーセという人物を中心にしてパレスチナ方面への逃亡を図りました。この逃亡劇を「出エジプト」と呼びます。
ヘブライ王国を建国
前11世紀頃、「出エジプト」でパレスチナに帰還したヘブライ人はヘブライ王国を建国しました。

出エジプト
ヘブライ王国の分裂
ソロモン王の死後、ヘブライ王国は北のイスラエル王国と南のユダ王国に分裂しました。

ヘブライ王国の分裂と、その後
ユダヤ教の誕生
唯一神ヤハウェ
ユダヤ教は一神教です。唯一神ヤハウェへの信仰を固く守り、戒律も厳格です。
救世主(メシア)の待望
「いつかこの世に終わりが来たとき、救世主(メシア)が登場し我々を救ってくださる。」という思想です。
選民思想
「救世主が救うのは、あくまで我々ユダヤ教徒だけである。」という選民思想も特徴です。苦難を受け続けてきた民族だからこそ、「最後に救われるのは自分たちだ。」と信じるのです。
旧約聖書
ユダヤ教徒にとっての教典を、旧約聖書と言います。
古代オリエントの東地中海 まとめ
- 前13世紀頃から、東地中海沿岸部にアラム人、フェニキア人、ヘブライ人が定住した。
- アラム人は内陸貿易を行い、アラム語は国際商業語として広く使われた。
- フェニキア人は海上貿易で栄え、シドン・ティルスなどの都市国家を建設した。
- ヘブライ人は「出エジプト」の後、パレスチナでヘブライ王国を建国した。
- ヘブライ王国はダヴィデ王・ソロモン王の頃全盛期を迎え、ソロモン王の死後分裂した。
- ヘブライ人はユダヤ教を確立し、唯一神ヤハウェを固く信仰した。

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