第2回三頭政治
ローマ共和政末期に成立した、オクタウィアヌス、アントニウス、レピドゥスの3人による政治同盟。レピドゥス失脚後、アクティウムの海戦でオクタウィアヌスがアントニウス・クレオパトラ連合軍を破った。これをもって「内乱の1世紀」は収束し、ローマ共和政も終了した。ローマは帝政へと移行し、オクタウィアヌスは「アウグストゥス(尊厳者)」の称号を得て初代ローマ皇帝となった。
第2回三頭政治成立の背景
オクタウィアヌス

オクタウィアヌス
カエサルの妹の孫にあたる人物。カエサルの暗殺後はその後継者として活躍した。後にアクティウムの海戦でアントニウスを倒し、前27年に初代ローマ皇帝となる。
カエサルの後継者
カエサルはオクタウィアヌスの有能さを評価しており、遺言でオクタウィアヌスを後継者に指名していました。カエサルの暗殺によって、オクタウィアヌスはカエサルが築いた莫大な財産と有力な兵士たちの支持を獲得します。
アントニウス

アントニウス
カエサルに仕えていた軍人。カエサルの葬儀で民衆を煽って共和派を追放するなど、反元老院・反共和政の態度をとった。第2回三頭政治成立後にオクタウィアヌスと対立し、アクティウムの海戦で敗れた後、自殺した。
レピドゥス

レピドゥス
ローマの名門出身の政治家。カエサルが独裁官を務めたときには、「騎兵長官(ナンバー2)」としてカエサルを補佐した。第2回三頭政治成立後、オクタウィアヌスによって失脚させられた。
三頭政治の経過
カエサル暗殺者を攻撃
第2回三頭政治のメンバーの共通点として、カエサルに近しい人物という点が挙げられます。彼らはまず、カエサル暗殺に関わった元老院保守派の人物たちを攻撃しました。
アントニウスとオクタウィアヌスの対立

クレオパトラとの恋
アントニウスは、生前カエサルが果たせなかった小アジアのパルティアを征服することで、オクタウィアヌスを出し抜こうとしました。この遠征の援護射撃をエジプトに要請したアントニウスは、当時のエジプト女王クレオパトラと恋に落ちてしまいます。しかしこの遠征は失敗した上に、アントニウスはそのままエジプトに滞在してクレオパトラとの間に3人の子供を作りました。
アクティウムの海戦

アクティウムの海戦
前31年、オクタウィアヌスとアントニウス・クレオパトラ連合軍が戦い、オクタウィアヌスが勝利した戦い。プトレマイオス朝エジプトは滅亡してローマの属州となり、地中海が平定された。
終戦、帝政へ
終戦後もオクタウィアヌス軍に追い回されたアントニウスとクレオパトラはエジプトに帰った後、自殺しました。オクタウィアヌスの勝利をもって「内乱の1世紀」が収束します。ローマ共和政は終了し、オクタウィアヌスが皇帝を務める帝政へと移行しました。